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キャッシュフローの定義

キャッシュフローの定義

一般的に決算書と呼ばれるものは、会社法等の法令上は「財務諸表」という名称です。
日本の会計制度では、財務諸表は主に、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)・株主資本等変動計算書で構成されます。今回は、その中から「キャッシュフロー計算書」をご説明したいと思います。

キャッシュフローとは?経営者なら知っておきたいキャッシュフローの基礎知識

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製品を販売する場合を考えると、キャッシュフローでは、実際のキャッシュの動きに着目するため、代金を回収した時にキャッシュインとして計上します。
一方で、利益計算では、納品という実態を優先させて、納品時に売上として計上します。
通常、製品を販売した際の代金の回収は、納品したときよりも1か月以上遅れる場合がほとんどです。
納品時と代金回収時がずれるため、キャッシュフローと利益計算では売上の計上時期がずれてしまいます。

4月に100万円の製品を販売・納品した。
5月末に100万円の代金を回収した。

キャッシュフローでは5月に売上を計上する。
利益計算では4月に売上を計上する。

②設備投資に係る経費の計上方法

設備投資について、キャッシュフローではその代金の支払いの時にキャッシュアウトとして計上します。
一方で、利益計算では、設備投資に係る資産は、通常長い年度にわたって使用されるという実態を反映し、その耐用年数にわたって、その代金を分割して経費に計上します。
この考え方を減価償却といいます。
そのため、キャッシュフローと利益計算で違いが生じます。

・利益計算
減価償却という考え方に従って、あらかじめ決まっている耐用年数により、その年に計上される経費の金額が決まる。
例えば耐用年数を6年とすると、1年あたり5 キャッシュフローの定義 0万円(=300万円÷6年)が6年にわたって経費となる。

③銀行借入とその返済

融資を受けた際にはキャッシュは増え、返済をした際にはキャッシュは減ります。
そのため、借入はキャッシュインとして、返済はキャッシュアウトとして計上します。
しかし、融資の借入と返済は、帳簿上の会社の儲けとは関係ないので、利益計算では、借入と返済は織り込みません。

④会計処理により利益が変わる キャッシュフローの定義

キャッシュフローは、入出金無しに預金残高が自由に動かせないように、一意的にその金額が決まります。
しかし、利益計算では、その根拠となる会計処理が会社の経営実態を適切に反映するために複数の処理が認められている場合があります。
そのため、どの会計処理を採用するかによって利益の金額は変わってしまいます。

・定額法 300万円÷法定耐用年数6年=50万円
・定率法 300万円×法定償却率0.417=125.1万円

1-3.利益をあげている会社が倒産する3つの原因

利益計算では黒字なのに、倒産してしまうことを黒字倒産といいます。
なぜ、利益をあげているのに倒産するのでしょうか。
実は、これも、キャッシュフローと利益計算の考え方の違いにより説明できます。

キャッシュフローの定義
・売上代金の回収が遅い、若しくは回収できなかった。
・在庫を抱え過ぎた。
・借入の返済額が、利益に比べて大きい。

①売上代金の回収が遅い、若しくは回収できなかった。

通常、今月の売上代金が、翌月の仕入、給与、その他の経費そして借入の返済等の日々の支払いの原資となります。
帳簿上の利益計算では、代金の回収がされていない製品納品時点で売上を計上するため、利益が出て儲かっているように見えます。
しかし、売上代金の回収が遅れ、キャッシュが獲得できなければ、日々の支払いのためのキャッシュが確保できず、倒産の可能性が高まります。

②在庫を抱えすぎた。

利益計算では、販売した製品に対応する分の仕入しか経費に計上できないため、在庫となった分は経費から除外しなければいけません。
しかし、在庫となった分も代金の支払いがあるため、利益とキャッシュフローは乖離してしまいます。
そのため、何らかの事情により、当初予定していた販売ができず、在庫を抱えすぎてしまった場合には、帳簿上、黒字になるかもしれませんが、実際のキャッシュは大きく減ってしまいます。

・製品 仕入値 1個10万円、売価 1個20万円
・製品を10個仕入れて、100万円支払う。
・製品を1個販売し、20万円受け取る。

販売については、キャッシュフローと利益計算では、共に販売した製品1個分の20万円が売上として計上されますが、仕入については、キャッシュフローでは、仕入れた製品10個分で100万円のキャッシュアウトを計上します。
しかし、利益計算では、仕入れた製品10個のうち、販売された1個分10万円だけを計上され、残りの9個分の90万円は在庫として経費から除外されます。
そのため、キャッシュフローと利益では儲けの金額に差が出てしまいます。

③借入の返済額が利益に比べて大きい。

・70万円で材料を仕入れて、代金を支払った。
・製品を100万円で販売し、代金を回収した。
・銀行借入の返済として50万円支払った。

一方で、キャッシュフローでは、売上、仕入だけでなく借入の返済50万円も考慮します。
そのため、儲けとしては20万円のマイナスとなってしまいます。
帳簿上の利益計算では黒字ですが、実際にはキャッシュが20万円減ってしまっているので、今後の経営に支障が出るでしょう。

2.キャッシュフローの3つの種類

・営業キャッシュフロー 会社の本業にかかわるキャッシュフロー
・投資キャッシュフロー 会社の設備投資にかかわるキャッシュフロー
・財務キャッシュフロー 会社の資金調達にかかわるキャッシュフロー

2-1.営業キャッシュフローとは?

営業キャッシュフローとは、会社の本業によるキャッシュフローです。
すなわち、本業でどれだけキャッシュを稼いだかを表すものです。

そのため営業キャッシュフローは、プラスでなければいけません。

ここでいう本業とは、その会社のメインとなる事業活動です。
工場の場合だと、製品の製造販売のための一連の全ての活動となります。

・製品の得意先から販売代金を150万円回収する。
・仕入先に部品の代金50万円を支払う。
・役員報酬を30万円支払う。
・従業員に給与を20万円支払う。
・社会保険料を10万円支払う。
・事務所の家賃を10万円支払う。
・広告費を5万円支払う。

これらはすべて、本業に関わるお金の動きで営業キャッシュフローを構成するものです。
上記の具体例の収支を合計すると、営業キャッシュフローはプラス25万円となります。
営業キャッシュフローがプラスとなっているため、経営は健全だといえるでしょう。

もし、営業キャッシュフローがマイナスとなってしまった場合には、本業でお金を稼げていないので、経営に問題があるといえるでしょう。
その場合にはすぐに経営の見直しをする必要があります。

また、次節で述べるように、不足するキャッシュを別の手段で確保する必要があるかもしれません。

2-2.投資キャッシュフローとは?

投資キャッシュフローとは、会社がどれだけ設備投資しているかを表すキャッシュフローです。
ここでいう設備投資とは、製品製造に必要な機械装置の購入や、古い機械の売却など、金額の大きな設備の売買のことをいいます。

・古い機械を500万円で売却する。
・新しい拠点として工場を3000万円で建設する。
・有価証券を100万円購入する。
・有価証券を200万円で売却する。

投資キャッシュフローは、営業キャッシュフローとは違い、その合計がマイナスであっても問題ないことがほとんどです。
会社が成長段階であったりして、積極的に投資しているときには、マイナスになります。
逆に、本業である営業キャッシュフローがマイナスとなり、その補填として不要な財産を売却する場合や、会社の不採算部門を整理する場合にはプラスになるでしょう。

2-3.財務キャッシュフローとは?

財務キャッシュフローとは、会社の資金調達や返済等の財務活動にかかわるキャッシュフローを表します。

・銀行から1000万円の借入をした。 キャッシュフローの定義 キャッシュフローの定義
・銀行に100万円借入の返済をした。
・500万円増資した。

3.キャッシュフロー計算書とは?

キャッシュフロー計算書とは、一定期間にかかわる会社のキャッシュフローを表す財務諸表の一種です。

中小企業では、キャッシュフロー計算書の作成は義務ではありませんので馴染みのない方もいるかもしれません。
会社では、常に色々なキャッシュフローが発生します。
そのため、キャッシュフローを網羅的に見るためにはキャッシュフロー計算書を作成する必要があります。

3-1.キャッシュフロー計算書の構造

期末のキャッシュ残高 = 期首のキャッシュ残高 + キャッシュフロー合計

3-2.直接法と間接法

①直接法とは

(例)
営業収入 500万円
原材料または商品の仕入の支出 300万円
給料・広告費の支出 100万円
その他の営業支出 50万円

直接法は、その活動ごとに直接収支を記載するので分かりやすいメリットがあります。
一方で、作成に手間がかかるというデメリットがあります。
税務署に提出が義務付けられている貸借対照表や損益計算書とは別に基礎資料を用意し、その作成のためのコストを確保しなければいけません。

②間接法とは

税務署への提出義務がある貸借対照表と損益計算書のデータをもとに営業キャッシュフローを算出します。
直接法とは異なり、作成のための追加コストをかけることなく、キャッシュフロー計算書を作成できます。
しかし、間接法は、損益計算書の当期純利益からスタートし、下記の項目を調整して、営業キャッシュフローを算出するため、その見方が少し難しくなります。

・減価償却費などのお金が出ていかない項目の調整
・投資活動や財務活動に含まれる損益項目の調整
・営業損益計算の対象となる取引における債権債務の調整
・売掛金の調整
・棚卸資産、買掛金の調整

例えば、減価償却費による調整については、減価償却費は、損益計算書では経費として計上されているものですが、キャッシュは減っていくものではありません。
そのため、減価償却費により、利益とキャッシュフローがずれています。
そこで、間接法では、そのずれを調整するのです。他の項目も同じように利益とキャッシュフローのずれを調整るためのものとなります。

4.キャッシュフロー経営

キャッシュフロー経営とは、お金の出入り(=キャッシュフロー)に着目し、資金に余裕のある経営をすることです。
会社が倒産するのは、利益が足りないからではなく、キャッシュが足りなくなるためです。
そのため常にキャッシュに注意を払っていれば、そのリスクを軽減することができます。

キャッシュフローの定義
キャッシュフロー経営

キャッシュフローに着目し、資金に余裕を持った経営

4-1 売上や利益重視の経営だけでは、なぜだめなのか

キャッシュフロー経営は、キャッシュフローに着目した経営方法ですが、これと対比する経営方法で、売上重視の経営と利益重視の経営があります。
しかし、売上重視や利益重視の経営では、不十分であり、それを補うためにはキャッシュフロー経営が必要なのです。

問題点
売上重視の経営 売上規模の拡大を追うあまり、コストへの意識が欠ける。
利益重視の経営 利益は帳簿上の儲けのため、資金的裏付けのない可能性がある。

①売上重視の経営との比較

売上重視の経営は、とにかく売上を増やして会社の規模の拡大を優先する経営です。
しかし、売上を重視するあまり、安易な値引き、過大な広告費等のコストに目がいかず、キャッシュが全く貯まらないのです。
会社の規模を拡大すること自体は必要な場合もあるのですが、いつまでたっても経営は安定しないでしょう。
一方で、キャッシュフロー経営は、キャッシュの増加を目的にするため、経営の安定につながります。

②利益重視の経営との比較

利益重視の経営は、会社の儲けである利益を重視した経営です。
しかし、ここでいう利益は帳簿上の儲けのため、掛による売上等によりキャッシュの裏付けのない儲けの可能性があります。
また、利益は、会計処理の方法によって金額が変わってしまうあいまいなものでもあります。
したがって、経営を判断する上では、利益だけを重視するのは不十分といえるでしょう。
一方で、キャッシュフロー経営は、実際のキャッシュの動きに着目するため、あいまいさを排除できます。

4-2.フリーキャッシュフローとは

フリーキャッシュフローとは、会社が自由に使えるキャッシュを意味します。
そのため、フリーキャッシュフローが潤沢であれば、キャッシュフロー経営が実現できているといえるでしょう。

①フリーキャッシュフローの計算方法
フリーキャッシュフローとは、会社が本業で稼いだキャッシュから、本業の現状維持のために必要な投資のためのキャッシュを差し引いた残りで、会社が自由に使うことができるキャッシュを意味します。フリーキャッシュフローは、下記のように算出できます。

フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー + 投資キャッシュフロー

②フリーキャッシュフローの見方

キャッシュフロー経営とは、資金に余裕のある経営です。
フリーキャッシュフローがプラスでないと、銀行借り入れの返済もできず、新規事業への投資もできず、株主への配当も支払うことができません。
なお、フリーキャッシュフローを見るときは、会社の傾向をみるため、単年度の金額だけではなく、過去数年の金額も見る必要があります。

フリーキャッシュフロー(FCF)の状況 会社の状況 対策
FCFがプラスであり、営業CFもプラス 稼ぐ力があり、現状の事業維持も出来ている理想的な状況 余裕資金を将来のために使える
FCFがプラスであり、営業CFがマイナス 本業の不調を既存設備の売却で補填している状況。この状況が続くと、近いうちに資金不足に陥る 資金に余裕があるうちに、本業の見直しが必要
FCFがマイナス 本業も不調であり、換金できる財産もなく、非常にまずい状況。今すぐ対策を取る必要がある。 本業の見直しが必要。また銀行借入により、資金を確保する必要がある

4-3.キャッシュフロー改善のポイント

①キャッシュの大きさ

キャッシュの大きさとは、いくらのキャッシュが入ってくるか若しくは出ていくかという視点です。
キャッシュフローを改善するためには、キャッシュインを増やし、キャッシュアウトを減らすことです。

例えば、製品を10個売るよりは、製品を20個売る方が会社にキャッシュが残るでしょう。
そのためには、製品開発をし、協業他社に負けない製品を作ること、新しい取引先を開拓することが必要になります。
またまた、うまく経費を減らせることができれば、それだけ会社にキャッシュは残るでしょう。
そのためには、自社の経費の見直しをし、無駄を削減したり、より条件のよい仕入先を開拓する必要があるでしょう。

②キャッシュのスピード

キャッシュのスピードとは、どれだけ早くキャッシュを獲得し、どれだけ遅くキャッシュを支払うかという視点です。
すなわちキャッシュインをできるだけ早くし、また、キャッシュアウトをできるだけ遅くすれば、それだけ会社にキャッシュが長く滞留することになります。

上の例で述べたように、製品を販売(納品)しても、代金は翌月以降の回収ということがほとんどです。場合によっては、手形を発行され、半年後の入金といったケースもあります。
これではせっかく製品を販売しても会社のキャッシュはすぐに増えていません。
そのため、会社のキャッシュを増やすために、できるだけ早く代金を回収できるように得意先と交渉する必要があります。
また、経費の支払いをできるだけ遅くするためには、仕入先との交渉により翌月以降の支払いにする、一括払いを避け分割払いを選択するといった方法をとる必要があります。

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決算書の読み方 キャッシュ・フロー計算書

キャッシュフローの定義 キャッシュ・フロー計算書

本業でのキャッシュの流れ を示しており、企業がキャッシュを生み出す能力である。営業活動によるキャッシュ・フローの表示は、詳細な表示である 直接法 と簡便な表示である 間接法 の2種類があるが、実務上では間接法が多く利用されているため、今回は間接法を前提としている。ただ、結果的に小計以下は同じ数値となる。企業にとって本業から得るキャッシュがマイナスとなっている場合には、投資資金を自己資本でまかなうことができず、財務面に関しても借入の返済原資がないこととなる。逆にプラスの場合は、本業から生み出したキャッシュで投資を実施し、借入金の返済原資も確保できることとなり、企業にとってはプラスであることが望ましい。与信管理上では、 マイナスの場合の内容吟味 が重要となってくる。

投資活動によるキャッシュ・フローのチェックポイント!

固定資産および投資有価証券といった キャッシュフローの定義 投資に関連する分野の購入・売却によって生じたキャッシュの流れ であり、マイナスの場合は投資を実施して資金が支出されるケースが多く、企業にとっては最大でも営業キャッシュから生み出された金額の範囲内での計上が望ましい。仮に営業キャッシュ以上の金額で投資を実施すると外部からの資金調達を余儀なくされ、金利を負担しなくてはならないことになる。逆にプラスの場合は、投資した資産を売却してキャッシュを捻出するケースが多く、その場合は本業でキャッシュを生み出しておらず、資金繰りが厳しいことも想定される。よって、総合的には営業で生み出したキャッシュをベースに負担とならない投資の適正額を設定し、その範囲内で毎期継続的に投資(マイナス)を行う形が望ましい。与信管理としては、マイナスの場合は 負担とならない範囲内での投資額が計上 されていること、プラスの場合は売却した資産の状況、 売却して資金が必要となった理由など キャッシュフローの定義 が重要となってくる。

フリーキャッシュ・フローのチェックポイント!

フリーキャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの和であり、 企業が自由に使用できる余剰資金 のことであり、プラスであることが望ましい。与信管理においては、フリーキャッシュ・フローがマイナスの場合、 手元のキャッシュがない ことを意味し、資金捻出のため金融機関から借入金を導入するなどして負債が増加してしまう可能性があるため注意が必要である。しかし、必要に応じて金額の大きい投資を実施している場合には問題ない。また、プラスの場合でも金額が大きい場合には投資に消極的な可能性もあり、 成長性が低い ことも考えられる。

財務活動によるキャッシュ・フローのチェックポイント!

金融機関からの資金調達・返済および株式発行による資金調達・配当金の支払、社債発行による資金調達・償還などの 財務状況を示すキャッシュの流れ であり、マイナスの場合は金融機関からの借入金の返済、社債の償還が進んでいるケースが多く、逆にプラスの場合には金融機関からの借入金や社債発行で資金を調達したりするケースが多い。与信管理において、マイナスの場合には、 営業から生み出されたキャッシュの範囲 で捻出されているかを確認する必要があり、プラスの場合には 資金が必要となった理由を確認 することが重要となってくる。いずれにしても営業・投資・財務それぞれが連動しており、 総合的に判断 することが重要となってくる。

キャッシュフロー計算書とは?企業のお金の動きを読めるようになろう!(いろはに講義④)

例えば、損益計算書では黒字なのに営業キャッシュフローがマイナスの場合、「売掛金」が回収できていないという問題があったりする。
売掛金とは代金を受領する権利のことだよ。具体的に言うと、販管費100万円をかけて200万円の売上を上げたとしても、そのうち120万円が売掛金だったら、会計上は利益が出ているけれど実際の現金でみると-20万円の赤字になる。
これが積み重なると、いわゆる黒字倒産に繋がっていくんだ。

損益計算書との違い

損益計算書だけ見たらプラスなのに!
3つの資料を合わせて見ることが大切なんですね・・・

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キャッシュフロー計算書とは?目的と構成 【シリーズ:経理のはなし8 初心者向け】

キャッシュフローとは


一般的に決算書と呼ばれるものは、会社法等の法令上は「財務諸表」という名称です。
日本の会計制度では、財務諸表は主に、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)・キャッシュフロー計算書(C/F)・株主資本等変動計算書で構成されます。今回は、その中から「キャッシュフロー計算書」をご説明したいと思います。

■ キャッシュフロー計算書はなぜ必要なのか?

簡単な例を挙げてみましょう。
損益計算書上の当期利益 1億円(以下の処理以外は補正済みとする)
・当期3,000万円の固定資産を購入した
・パソコンの減価償却費は1,000万円である
この場合のキャッシュフロー額は
1億円-3,000万円+1,000万円=8,000万円(この計算の意味は後ほどご説明します)
当期利益は1億円ありますが、手持ちの資金は8,000万円です。
この2,000万円の差を説明するのがキャッシュフロー計算書です。一般的に、損益計算と現金などの収支を補正することが目的です。

■キャッシュフローとは

キャッシュフロー作成


キャッシュフローとは、現金や現金等価物の増減のことを指します。
財務諸表を作成する目的は、会社の利害関係者(株主、従業員、取引先など)に会社の状態を報告することです。その中の貸借対照表は、決算日の会社の財産の状況を報告し損益計算書はその事業年度の経営成績=どれだけの利益を獲得できたか?を報告します。
ここで問題となるのは「獲得した利益=現金等の増加額」ではないということです。 キャッシュフローの定義
例えば、損益計算書上1億円の当期利益が計上されていても、その1億円の入金予定が1年以上先であったとすれば、その会社は資金繰り次第で倒産してしまう可能性があります。一方で、草創期のIT企業の多く(アマゾンなど)がそうであったように、多額の赤字を計上していても運転資金などを投資家や金融機関から調達することで損益計算上の危機を乗り切って大企業に成長する例もあります。
このように、現実の収入や支出=収支(キャッシュフロー)と損益にはズレが生じます。つまり、損益計算書と貸借対照表だけでは”使えるお金=会社の体力”がいくら増えたのかがわからないということになります。
したがって、キャッシュフロー計算書の目的は「損益と収支のズレを補正して現金の増減がどれだけあったのか」を報告することと言えるでしょう。 キャッシュフローの定義

■ 損益計算の原則 発生主義と現金主義

損益を計算するための原則の一つに”発生主義”が挙げられます。
発生主義とは、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。」(企業会計原則より)というものです。
わかりやすく言えば、「取引が発生したら仕訳をしましょう」ということです。そして発生主義に対する考え方に”現金主義”があります。
「9月1日に商品を1万円で販売し、10月1日に1万円が普通預金に振り込まれた」という具体例で考えてみましょう。
・発生主義による処理

9/1 借方:売掛金 10,000円 貸方:売上高 10,000円
10/1 借方:普通預金 10,000円 貸方:売掛金 10,000円

これにより、損益計算上は9月に10,000円の収益が計上されることになります。
・現金主義による処理

9/1 仕訳なし
10/1 借方:普通預金 10,000円 貸方:売上高 10,000円

この結果、損益計算上は10月に10,000円の収益が計上されることになります。
・期間損益という考え方
先程も述べましたが、損益計算書は「一定期間(事業年度)の経営成績」を報告するものです。この一定期間の損益のことを「期間損益」といいます。
先ほどの具体例に「決算日 キャッシュフローの定義 9月30日」という条件をつけてみます。そうすると発生主義と現金主義では、それぞれの期間損益(前期の利益と当期の利益)に10,000円のズレが生じていることがわかると思います。
経理処理方法の違いによる期間損益のズレをなくすために「損益計算は発生主義で処理しましょう」というルールが生まれました。

■ 損益と収支がズレる代表例

キャッシュフロー計算書を作成する上では、発生主義と現金主義の違い以外にも損益と収支を補正する必要があります。代表的なパターンを挙げてみましょう。
・パターン1
現金を支出していないが費用が計上できる場合・・・減価償却費や引当金など
この場合において、購入した固定資産を費用化するために減価償却という方法による減価償却費計上します。この減価償却費や、賞与や退職金などの引当金は、現実に費用を支出を伴わないため、期間損益と収支の補正が必要となります。
・パターン2 キャッシュフローの定義
現金を支出したが費用とならない場合・・・建物や車両などの固定資産を購入した場合など
この場合、現金や預金などは支出されますが、損益計算上は固定資産の購入は費用として処理することはできません。
※最初に挙げました例はこれらでご理解できたでしょうか?
・パターン3
現金の増減はあるが損益に関係ない場合・・・借入や資本金の変動
運転資金を金融機関などからの借入金で賄った場合など、現金は増加していますが借入金は収益ではありませんので損益計算にはあらわれません。このような場合もキャッシュフロー計算書では補正します。

■ キャッシュフロー計算書の構成

CFテンプレート

出典 中小企業庁 「キャッシュフロー計算書の様式例」 を ※一部加工http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei38/kaikei35.htm

キャッシュフロー計算書は企業のどのような活動によってキャッシュフローの増減がもたらされたかをあらわします。その活動は次の3つに区分されています。
・営業活動によるキャッシュフロー キャッシュフローの定義
営業損益に関する取引のキャッシュフローをあらわします。(パターン1)
・投資活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での資産に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン2)
・財務活動によるキャッシュフロー
営業活動以外での負債と純資産の部に関するキャッシュフローをあらわします。(パターン3)
キャッシュフロー計算書の大まかな説明は以上です。もっと詳しい内容についてはまたの機会にご説明したいと思います。また、キャッシュフローに関する書籍も多数発売されていますので、もう少し勉強してみたいという方はぜひご覧になってください。

フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow)

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フリー・キャッシュフロー(Free キャッシュフローの定義 Cash Flow:FCF)は,コーポレートファイナンスのキーワードであり,キーコンセプトである。
近年では,キャッシュフロー経営という語が頻繁に用いられる。企業価値を定量的に評価する際の評価項目は FCF である。企業価値の持続的向上のためには, FCF を意識した経営を行う必要がある。このように, FCF は現代の企業経営を理解するうえで必須の用語や概念にもなっている。

一般的に, FCF は次のように定義される。

equation

FCF のベースは営業利益と減価償却費である。減価償却費は損益計算では費用計上されるが,キャッシュは流出しない。専門的には,営業利益と償却費の和を EBITDA(Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortization) という。設備投資と正味運転資本(売上債権+棚卸資産-買入債務)は,当期に費用計上されないが,キャッシュの支払いが生じる項目である。

下記はアメリカの有名な MBA で用いられる講義資料からの抜粋である。
EBIT(Earnings Before Interest and Tax) は税引前営業利益と解釈してよい。 Depreciation は減価償却費, ΔNWC は正味運転資本(Net Working Capital)の増加, CAPX は設備投資等資本支出(Capital Expenditure)を意味する。上で定義した FCF と同じ 4 項目を用いていることが分かる。 FCF を構成する主要 4 項目は,グローバル・スタンダードである。

figure

概念的には, FCF は企業活動の継続に必要な資本(運転資本,設備投資)を再投資した後の余剰資金であり,投資家に配分できるキャッシュといえる。企業活動からフリーという意味でフリー・キャッシュフローという。企業活動の成果として投資家に配分できるキャッシュといってもよい。投資家は,将来の FCF の配分を期待して,企業に資金を投資する。投資家は,リスク志向に応じて,大きく債権者と株主に分類できる。ローリスク・ローリターン志向の投資家は債権者,ハイリスク・ハイリターン志向の投資家は株主である。

figure

(図)企業と投資家:資本投下とFCF(成果)

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